NHK土曜ドラマ「遥かなる絆」が感動させる。
ノンフィクション作家・城戸久枝さんの実話原作のドラマ化。
中国に留学中の娘が、中国残留孤児だった父の過酷な運命をたどり、国境と民族を越えた命の絆を語る。
第2回の今夜。娘が父の日記の中に、この言葉を見つける。
「车到山前必有路」
城戸さん自身がHPに好きな言葉として紹介し「進めば必ず道開く」と訳している。
辞書によると中国のことわざで「行く手に山が立ちふさがっても、そこに道は自(おの)ずと開ける。行き詰まっても必ず解決する方法があること。案ずるより産むがやすし」とある。
国籍の狭間(はざま)に悩む青年時代の父が、今後の活路を開く決意を込めて記した言葉だった。
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この言葉、私は講座で老師から教わっていた。
私の人生など、このドラマに比すべくもない安易なものだが、時には仕事の行き詰まりで愚痴をこぼす私に、家内はよく「なるようになるわよ」(なんとかなるわよ)と励ましてくれたことを、退職の感想で話した際、これを中国語に訳すなら「车到山前必有路」が適当と教わった言葉だ。
知った言葉が出て来ると嬉しくなって、主役の台詞を復唱しながらドラマを見ていた。